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第4話 『思惑草?』

グゥゴォワー プヒュ~

グゥゴォワー プヒュ~

「な、なんだ?!」
物凄い騒音に目を覚ます田子作。
騒音の発生源は隣のベッドで寝ている妻からだった。
携帯で時刻を確認すると深夜2:03と表示されている。

「またかよ~。今月に入ってからほぼ毎晩じゃねぇかよ・・・」
疲れ果てた表情を浮かべる亭主の田子作。
枕元に伏せてあるタブレットを引っ張り出し何やら検索を始めた。

「いびき 効く 食品」
ブツブツ言いながら検索結果からめぼしいサイトを探す。

「どくだみ?」
あるサイトでドクダミ草が木の芽時期の炎症性のいびきには有効らしいと書かれているのを見つけた。

田子作は翌日早速ディスカウントショップで安いティーパックタイプのドクダミ茶を購入し妻に飲ませてみた。

驚くほど効いたらしく鼻詰まりも無く呼吸も静かになった。

「ネット情報とはいえ本当に効くもんだな。」
妙に感心する田子作であった。

翌日。
「・・・またウナサレてる・・・。いったいどんな夢を見たらそんなに怖がることができるんですか?最近便秘だって言ってたし、原因はそれですね。」
今にも絞殺されそうな声を漏らしながらも決して目を覚まさず隣で寝ている主人を恨めしそうに睨む妻。
気だるそうに起きると枕元のタブレットで何やら検索し始めた。

「食べすぎ うなされる 効く 薬・・・いや薬は高い。雑草で何か無いかな?」
ブツブツ呟きながら検索結果を探す。

「何々?ドクダミ草は便秘やデトックスに効果あり?私と同じの飲めばすっきりして怖い夢見なくなるの?」
早速妻は翌日から自分が飲んでいるドクダミ草のお茶を亭主にも飲ませた。
その日からお通じが良くなったと喜ぶ田子作を見て『思惑通り!』とほくそ笑む妻。

「店長、最近やたらとドクダミ草のお茶が売れるようになったんですけどどうしてですかね?」
夫婦が良く使うディスカウントショップの若い男性店員が中年の店長らしき男性に尋ねる。

「駐車場に花粉症になりやすいスギ科植物の生垣を作ったし、トイレはいつも故障中ということでお客の便意を我慢させたりしただろ?ようやく効果が出始めたんだよ。」
中年店長はタブレットでインターネットを閲覧しながらニヤリと薄笑いを浮かべるのであった。