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第14話 『毎日食べたい物』

「開店以来毎日昼と夜のお弁当を食べ続けてくれるお客様が増えたなぁ。」
洗濯船のインスタグラムで日々の弁当やオードブルの画像を振り返りながら呟く田子作。

「皆さん健康に敏感ですからね!それに安くて栄養満点で美味しいし。」
嬉しそうな妻エーコ。

「それでもまだまだ知名度は低いから安泰とはいかないな。みんな何を食べてるんだろうか?」
不思議そうに腕組みして考えこむ田子作。

ほぼ毎日同じ常連による購入は少しづつではあるが増加し続けている。だが今回の様な大型連休に入ると流石に激減する。

「そもそも毎日食べたい物ってなんだろうな?」

「毎日ですか?私はニンニク、ショウガ、チーズ、チョコ、柑橘類、鰯とかですかね?」

「食材か。料理は?」

「ピザ、マリネ、パスタ、サラダ、ご飯、揚げ物以外の鶏料理、特に鶏むね肉!」

「毎日とり天弁当で良さそうだな。」

「確かにとり天弁当は人気ですね。」

「思ったんだが、自分が毎日食べても嬉しい料理だけに特化したらどうだろうか?」

「それだったら外食が皆無になるから良いかも!」

「でも問題は突然やって来て待ち時間が5~7分と伝えるとすぐに帰る人がいることですね。」

「どこに食べに行ってもそれ以上はかかるはずだけどなぁ。出来合いの弁当ならスーパーに置いてあるからそっちに行くように勧めてるよ。」

「そうですね。スーパーに移動するのにもそれくらいかかる訳だし。」

二人は早速自分たちが毎日食べても飽きない料理や食材を付箋に書き出していった。
「これを大まかなジャンルごとに分けてノートに貼っていく。これはアイデアをひねり出す時によく使われる手法なんだ。ブレインストーミングの一つでJK法と呼ばれてる。」
田子作の説明を聞いて驚いた顔をする妻エーコ。

「たしかに女子高生って流行に敏感ですもんね!!」
妙に納得している。

「いやいやそっちのJKじゃなくって考案者の『カワキタジロウ』さんの名前の頭文字だ。」

「なんだそうなのですね。でも女子高生の方がシックリ来るけどな私は。」

「お前、ホント毎日『人食って』るよな?」

「えー、人って食べられるんですか??」

「もういい。疲れてきた・・・」