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第47話 『AIよりも愛?』

「このままではいけない気がします。」

「なんだよ、童顔が気難しい顔をすると子供がウンチを力んでるみたいだぞ?」

「むぅ!童顔じゃなくて小顔と言ってください!」

「俺には『でかい面』するけどな。」( *´艸`)プププ

「本気で心配してるんですよぉ!!」

「確かに11月に入ってから客足が目に見えて減ってるしな。」

「コンサルの経験からこんな時はどうすれば良いか知ってるんじゃないですか?」

「あれ?もうギブアップ?確かちょっと前まで『これからは私の経営計画に従ってください!』とかなんとか言ってたような?」

「そ、それはお金の管理の話というか・・・」

「あれ~?経営計画ってキャッシュフローだけじゃないよね?」

「どこかのお土産屋さんはAIと監視カメラを連動させてマーケティングしてめちゃくちゃ儲けてるそうです。」

「お前都合が悪くなるといきなり話変えるよな?」

「とにかくこれからはAIの時代じゃないかと思うのです。」

「大学でAI専攻してたのに全く活用も理解もできてないお前が言うことか?」

「大学は寝るところですよ。」('ω')ノキッパリ

「お前それでよく卒業できたな?」

「とりあえず月額数千円でAIを導入できるみたいなんですよ。」

「スルーかよ。まあいいや。その前にまだまだやれることは山ほどあるぞ。」

「AI導入の前にですか?」

「AIはビッグデータを扱うときには役立つが当店のようなお客さん一人一人の顔も名前も覚えられるほどしか客が来ない店では宝の持ち腐れだ。」

「でもわずか5000円前後からなのですよ?」

「AIが無くてもレシートにちょっとひと手間加えるだけで色んな情報が分かるんだよ。」

「例えば?」

「実はこの2週間ほどレシートからデータ収集をしてたんだよ。その結果分かったことがこれだ。」

「なんとー!!この資料は!!」

「曜日別売上、客の男女構成比、年代別客層分析、平均単価、時間帯別売上、その他20種類以上のデータが取れてるんだな。」

「いつの間に・・・」

「その結果、当店が最小限の費用と努力で最大限の効果を発揮する方法はだな・・」

「焦らさないでください!」

「答えは店頭で!」

「またですか!?」

「仕方がない、今回だけは教えてやろう。」

「待ってました!」

「その答えは『何もしない』だ。」

「え?何もしないって?」

「そのまんまだよ。今まで通り特別に変わったことは何もしないってこと。」

「だからお客さんが減ってるから何とかしようとしてるのにその答えが何もしないって納得できません!」

「いろんな角度からデーターを分析するとだな、そもそも当店の売り上げは店の前の流動人口の増加にあまり影響を受けないということ。」

「そうなのですか?」

「昨日なんか弁当の注文が超少なくて超暇だったよな?」

「そうです。だから焦ってるんですが。」

「でも昨日の売り上げはそこそこ良かったんだぞ?」

「そんなはずは・・・あ!」

「思い出したよな?アレだよ。」

「そうでしたアレでした。」

「しかも時間帯や曜日にもあまり影響を受けてない。つまりコアなニーズのハードリピーターさんに手厚く支えられてるんだよ。」

「それは理解できますが何もしないってのはまだちょっと腑に落ちません。」

「今現在の客足の減少の最大の原因は何だと思う?」

「う~ん、お給料日前とかボーナスがまだとかですかね?」

「分かってるじゃねぇか。その通り『今は金がない』ってことだ。今月はラグビーワールドカップで盛り上がって使ったし、そろそろ忘年会トライアルが始まるし。でもまだ肝心のボーナスが出ていない。」

「だから皆節約してるんですね!」

「その通り。愛情もってお客様の日常を備に観察すれば簡単にわかることだ。だからあまりアタフタせずに忙しくなった時のための準備をしておくほうがよほど賢明なんだよ。」

「だから『特別なことは何もしない』ってことなのですね!」

「そーゆーこと。」

「安心しました!」

「コンサル料はウイスキー1本でいいぞ。」

「はい、お教え通り『何もしません』!!」

「手前ぇ、俺に対する愛情てのは無いのか!?」( `ー´)ノコラー!

「どうせ私は『でかい面』ですから!」(*^_^*)

「ぬぬぬ~!・・愛が欲しい・・」(;´Д`)ハァ~・・・