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第20話 『トマトを食べすぎると死ぬ?』

昨日サンプルに貰った激甘塩系トマトの『トマ王』をさりげなく冷蔵ショーケースから1つ取り出そうとする田子作。

「あー!また自分だけ食べようとしてる!!」
すかさず異変に気付いたエーコが指摘する。

「ち、違うよ!これはスムージーの実験用だ。」
慌てて言い訳をする田子作。

「あんなに貰ったのにもう3個しか残ってないじゃないですか!今その実験って必要なのですか?」
トマトが惜しくて堪らない風のエーコ。

「サンプルだからこそキッチリ商品開発に使うべきじゃないのか?」
負けじと持論を展開する田子作。

「知ってますか?トマトってトマチンという毒素があって食べ過ぎると死ぬそうですよ?」
エーコは意地悪な表情で田子作に詰め寄る。

「まじか!?ちょっと待て!調べてみる。」
大急ぎでネット検索をする田子作。

「って、確かにトマチンは摂取しすぎると死ぬらしいけど1日に4トン食った時の話じゃねぇかよ。4トン食ったら何喰っても死ぬだろうが!!」

「ゲット!!」
いつの間にか田子作がテーブルに置いたトマ王がエーコに掻っ攫われていた。

「あ!騙したな!返せ!」

「今のトマ王は生で食べるのが一番ですよ、きっと。モグモグモグ・・・」
エーコは言うが早いか食べ始めてしまった。

「あー!こんにゃろ!じゃあスムージーは一口も飲ませんからな!!」
今度は田子作がショーケースから残りのトマ王を全部引っ掴むと厨房へ駆け込んだ。

「あ!3つも!!」
よほど美味しいらしく食い意地の張った2人の前では『馬の鼻先に人参』である。

洗濯船スペシャルのトマ王スムージー

「あれ?そう言えば田子作主人はトマトジュースが嫌いじゃなかったですか?」

「うんまい!!トマトジュースが大嫌いな俺でもこれは別物だな。完全に旨いフルーツスムージーと化しとる。」

「あーーー!私にも残してくださいよ!!」
残念ながらスムージーが入っていた空のコップにエーコの声が空しく響くのだった。

「こんな旨いトマトを食って死ねるんだったら本望かもな。あははは。」
腹を摩りながら高らかに笑う田子作。

「いーですよー!これから毎週トマ王が入荷することになりましたから!」
と云う訳で店頭販売開始いたします。

恐らく市内では最安値になろうかと。

乞う、ご期待!!(*'▽')ノ