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第45話 『「俺なんか」「私なんか」が国を亡ぼす?!』2

「あ!?本当だ!」

「君が真っ先に取り組むのはSNSとボランティアという結果になるんだよ。もちろん君が自分の中から見つけてきた夢の断片が言ってる訳だから俺が押し付けてないよな?」

「はい。えー、なぜなんだろう!?すごくシックリ来ちゃいました。」

「ね、田子作主人の占いは本物でしょ?」

「占いじゃねぇよ!コーチングだコーチング。」

「凄いですねぇ!本当に本人の中から出てきた夢の断片だけですっきり解決の糸口を導き出せるんですね?!」

「ん?滝田君もしたい?」

「え?お願いできるんですか?!」

「初回1万円だけどね。」

「くぅ~、さっき食事代支払ったので今日は持ち合わせが無いです。次回で。」

「ちっ、上手く逃げたな。」

「でもどうやって優先順位を決めたのですか?」

「人によって色々だが今回のハナちゃんの場合は『自己評価』に注目したんだよ。」

「ジコヒョウかですか?('ω')?それってアイスの種類?」

「氷菓じゃねぇよ。自分自身をどう評価してるかって事だよ。」

「なるほど、それでキーワードが『自分なんかには』って書いてあったカードだったんですね。」

「流石滝田君、鋭いねぇ。」

「いやぁそれほどでも。」

「とにかく自己評価を上げることを最優先することが全ての取っ掛かりになるのは間違いないんだな。」

「だからSNSなんですか?私SNSアカウントなんて持ってないですけど・・・」

「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)てのは何もサイトばかりじゃないんだよ。ボランティアもその一つ。」

「それでボランティアかぁ。でも田子作主人よ、サービスではないですよね?」

「サービスする側になれば良い訳だろ?利用者側ばかりがSNSじゃないよ。サービス提供者側もSNSの参加者には違いなんだからさ。」

「そうか!その逆転の発想は俺の中には無かった!さすが田子作さん!」

「滝田君、コレ、お得意さんが置いて行った高級酒だけど飲む?」

「こらこら悪の道に誘わないの。明日は皆さん仕事なんですから。」

「ちぇ~、『いいね!』って顔してるぞ彼は。」

「あは、少しくらいなら、良いですかエーコさん?」

「歩いてきてるんだったら仕方ないですね。少しだけですよ。」

「ありがとうございます!!」

「今の彼のように『いいね!』って自分の価値観に同調する仲間が自分の周りにどれだけ居るかで事態の展開が変わるだろ?」

「それがハナちゃんと何の関係が?」

「ハナちゃんは『自分なんか』って思考が根底にあるから他人に対して同調したり応援したりすると相手に失礼になるんじゃないかって考えてる節がある。だけど人間てのは『みんなから認めてもらいたい』という承認欲求てのが強い生き物だ。」

「確かに。誰にも認められない人生は余りに寂しいですね。」

「一匹宇宙人のお前ですらそうだろ?」

「宇宙人でも寂しがり屋は沢山いますから。」

「ハナちゃんが洗濯船に出入りし始めてかれこれ4年が経過したんだがあることに気が付いたんだよ。」

「え?何ですか?私何かやらかしてましたか?」

「その逆。『全く何もしなかった』ことに気が付いたんだよ。」

「全く何もしなかった?」

「そう。誰に対しても『それいいですね!』とか相手の価値観を認める発言を一切して来なかったでしょう?」

「だって私なんかがそんなに詳しくもないのに適当なことを言って良いものかと・・・」

「つまりハナちゃんは誰も承認してやってなかった訳だ。」

「でもそれとボランティアと何の関係が?」

「今更うちのメンバーにハナちゃんが『いいね!』』連発してみろ。勘違いした男どもは皆舞い上がって喧嘩になるのは目に見えてるだろうが。だからここじゃない別の団体で、誰かの役に立ちながら他人を認めて行く練習をするんだよ。」

「ちょっと待ってください。他人を承認するのは良いですが誰が彼女を承認してくれるのですか?」

「お前もう少し考えてからしゃべれよな。SNSでフォローしてくれてる人の投稿に『いいね』って承認したらその人から『いいね』が返ってくるだろ?まずは自分を承認してもらいたかったら自分から相手を承認するのが礼儀だろ。」

「あ、そっか。」

「なるほど!これって他の人にも使えますよね?」

「察しがいいねぇ滝田君。その通り。君の周りの『出会いがない』とか言ってる人にも同じことを伝えてあげれば役立つんだけどなぁ・・・」

「ん?何か話のお尻が萎んだような?」

「人は単純にはいかないんだよ。彼女だって4年前から似たようなことを俺は言ってきたんだよ。」

「え?!そうでしたっけ?記憶にない・・・」

「な?人って本気にならないと他人の話なんか心に入ってこないんだよ。だからいくら『出会いがない人はコンパや婚活よりもボランティアの方が良いですよ!』って言っても興味を示さないんだよ。」

「確かに年齢が近くて自分の好みの人がボランティアに来てるかどうか分からないですからね。」

「行った場所でいきなり最高の出会いを期待するのは宝くじを買うようなもんだ。あくまで人として相互に承認しあい自分がどんな人か他人を通じて知ってゆく過程なんだよ。」

「敵を知り己を知れば百戦殆うからずですね。」

「まあそこまで戦モードではないけど大体そんなところだよな。」

「果たしてそれだけでハナさんは最高の出会いができるようになるでしょうか?」

「例え宇宙人であっても意見は聞こう。」

「ふふふ。」

「ハナさんそこ笑い過ぎですから。」

「あ、ごめんエーコちゃん。」

「私にはどうしても次の展開が想像できないのですよ田子作主人よ。」

「等身大の自分を適正に評価してくれる人が自分の周りに増えるとどうなるか想像がつかないてことだな?」

「だす!」

「ぷっ。絶対私を笑わせようとしてるでしょエーコちゃん!くっくっく。」

「へへ、久しぶりにハナさんが笑うのを見て満足なり。」

「そっちかよ!まあいいや、ついでだから教えてやるよ次の奥義を。」

「え!?奥義ですか!?」

「お前が一番喰いついてるじゃねぇかよ。何がしたいんだよお前。」

「ダメ!もうおなか痛い!あっはっは!!」

続く