第51話 『夢は螺旋階段で登る』
「そういえば以前の経営学習会のメモを最近見なおしてて思ったのですが・・・」
「メモ取ってたのか。で、何に気が付いたんだ?」
「参加者の方々の夢コーチングを横で見させてもらってたんですが同じ人が何か月ごとかに似たような相談をしているなぁと。」
「似ていて非なるだがな。」
「どう違うのでしょう?」
「例えば『ユーチューバーになりたい!』とか言うのがあるとすれば、数か月後には『人気ユーチューバーになりたい!』に変わり、さらに『もっと楽にユーチューブを更新したい!』に変わってゆくんだよ。」
「なるほど確かに!」
「人は面白いもので一つのことに執着し続けるのが難しいんだよ。だから相談の彼もユーチューバーとしての活動の間に別の夢を叶える準備をしていたりするんだな。それに自分一人で叶えられる夢って案外少なくて多少ならず外部環境に影響を受けるからどんなに頑張っても足止めを食らうこともある。そんな時は違う方向の夢を叶えて時間をやり過ごすと無駄が無いんだ。」
「そうなのですか!?」
「最終的には『こうなりたい!』という総合的なビジョンに繋がってるんだが一見するとそれぞれの夢はバラバラに見える。でもそれらいくつかの夢の精度が徐々に向上して総合力も上がっていってるんだよ。」
「まるで螺旋階段を上るがごとくですね!!」
「そろそろ俺の報酬も上昇しても良い頃だな。」
「田子作主人よ。まだまだ外部環境が整ってませんよ。他の夢を実現しておいてください。それに宇宙から見れば螺旋階段も平面の円もほとんど違いはありません。男がそんな小さなことに拘ってどうするのです?さあ、今日も元気に働きましょう!!」
「テンメェ~・・・」(-_-メ)