第21話 『アクセスと更新の微妙な関係』
「ついにネタ切れですか?」
「あん?アホか?ストーリーテリングなんて呼吸をするより簡単だ。」
「そうは言っても1日1話のはずがここ数日間止まってるじゃないですか。」
「そもそも何のための小説なんだ?これは言わばオマケだ。しかも飲食店売り上げに直結するための活動に他ならないはずだろ?」
「確かに・・・。でもなぜ急に止めたのですか?」
「アクセスだよ。」
「どれくらいの人がサイトに訪問してどのページをどれだけ閲覧していったかを分析するアクセス解析のことですか?」
「その通り。最近ではなぜか明日の弁当の予告のページよりも小説のページの方が明らかに閲覧者数が多くなってるんだよ。しかも大分県外で絶対に食べに来ない人からの。」
「だからわざと更新を止めたのですね?」
「その通り。しかも弁当メニュー告知のページ閲覧者数のうち大分市内からのアクセスを見れば今日の売り上げが大体いくらになるか予約電話が来る前に分かるし、小説書く必要もないんだな。」
「ではなぜこの迷惑劇場を始めたのでしょう?」
「迷作劇場だ!簡単な話だ。新規サイトのSEO対策には小説はうってつけなんだよ。」
「訳分かめちゃんです。」
「そっちの方が訳分からんわ!サイトの検索結果の表示順位を上げるためにはキーワード戦略が必要なんだけどいろんな言葉を扱う小説はそういう意味ではとても便利なんだ。」
「と言う事は、この劇場はそもそも誰かに読んでもらうための物ではなく、サイト順位を決めるネット上を流れるプログラムのクローラーのための物だったのですか?!」
「半分はな。もう半分は料理や青果や店のことをもっと知ってもらうためでもある。」
「無駄が無い!?そこまで考えていたなんて。私はてっきり田子作主人の趣味だとばかり考えてました。」
「ストーリーテリング自体は嫌いじゃないがそれだけだと忙しい中時間を割いてする意味が無い。それに・・」
「それになんですか?気になります。」
「全ては語るまい。とりあえず20話綴ってみた結果、飲食部門の売り上げがどうなったと思う?」
「どうなったのですか?」
「徐々に伸びだしたんだな。」
「キーワード戦略が功を奏したのですね?」
「だな。色んなキーワードでの表示順位が上がれば当社サイトを知らない新規の訪問者も増える。その中の近隣の人が当店の存在を知る。だから徐々に来店者数も伸び始めているだろ?」
「なるほどー!!そういう流れだったのかぁ!」
「加えて当店はなぜか熱烈な常連様に支えられてるが、中には職場が変わったり生活リズムが変わったりで当店の弁当その他を食べることが出来なくなった方々が居る。そんな皆様へ近況報告も兼ねている。」
「まだ元気に頑張ってますよー的な感じですね。」
「だからそろそろペースダウンしてもいいかなぁ?ってな。」
「ダメですよ。油断大敵です。これからもジャンジャン有ること無い事書き続けてください!」
「いや、だから他にも言えない理由があるんだよ。大人の事情ってやつだ。」
「私もすっかり大人です、身長は小学生で止まったけど。分かるように説明してください!」
「それは別の機会な。とりあえず現状はこんな感じだ。」
「ダメですぅ~!!今説明してください!」
「やれやれこっちもSEO対策が必要だな。」
「どういう意味ですか?」
「S(急かす)E(エーコ)O(おばさん)対策だ。わはは。」
「やっぱりこれは『迷惑』劇場です!!」